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オジ旅〜長野温泉旅編〜【第2回】

長かった冬もようやく終わりを迎え、少しずつ柔らかな風が街を包み込むようになって来た。だんだんと日が延びて来て、新たな季節を迎えるんだなぁと少しセンチメンタルな気分に浸りながら、仕事からの帰り道も自然に早足になる。

そういえば今年に入ってから、ゆっくりと休日を取った記憶がない。

休日もなんだかんだバタバタしており、気付けば春を迎えていた感じだ。

ちょうど年度末の繁忙期も終え、業務的には少し落ち着いてきたタイミング。

よし、久しぶりに旅行でも行くか。


家に帰り発泡酒を片手に予約サイト「一休」で宿を検索する。

一泊でサクッと行ける場所で・・やはり温泉は欲しいよなぁ。

暖かくなって来たから温泉は微妙かな、とも思ったが、暖かくなって来たとはいえ温泉はどんな時も心と体を癒してくれることに間違い無い。

色々と見て、長野県のとある旅館を予約。理由はフィーリングだ。こういった感覚はいつの時も大事にしたい。

それにしてもコロナの影響からか、例年よりも予約が取りやすい気がするのは気のせいか。しかしまたGoToが始まったら旅行ニーズが高まりそうだなぁ・・・なんて思いながらこの日は眠りについた。


天気予報も快晴とのことで今回はドライブがてら車で行くことに。

長野方面はそこまで道も混んでいなく快適。どうやらナビの予想時間通りに到着しそうだ。

午後3時。チェックイン時間とほぼ同時に到着した今回の旅館は、諏訪湖の麓にある「萃sui-諏訪湖」

客室は全8室、その全てに諏訪湖が一望出来る露天風呂が設置されている寛ぐには最適な宿だ。

ちなみにこの辺りは「日本のヘソ」と呼ばれるらしい。日本のヘソでゆっくり出来るなんてなんとも贅沢な感じがしてなんだか面白い。

この旅館には「囲炉裏茶の間」という囲炉裏を中心とし、庭園風景を眺められるスペースがある。チェックイン・アウトもこちらで行うそうなのだが、夜はなんと地酒barになるという。これは是非行きたいところだ。

さて、チェックインも無事終わり、部屋へと案内される。

部屋に入ると、やはり圧巻は窓から見える景色。謳い文句通り諏訪湖が一望出来る。海とはまた違った湖の雰囲気、そして快晴の空から注ぐ日差しが、一気に休日モードへと誘ってくれた。

そして露天風呂も秀逸。これまた諏訪湖が一望でき、ゆったりと出来る最高の風呂だ。

夕食まではしばらく時間がある。この時ばかりは何も考えずに過ごすことにした。


夕暮れ時。ちょうど夕日が沈んでいくタイミングを見計らって部屋から出て屋上に向かう。向かった先にあるのは「展望露天風呂」だ。

部屋の風呂からも諏訪湖を見ることはできるが、ここは別次元。圧巻の景色が目の前に広がるのであった。

ちなみにここは混浴。が、露出の少ない湯浴みを着て入浴するため、男性諸君は過度な期待はNGである。


さて、旅の楽しみといえばやはり食事は欠かせない。

長野県は食事が美味しいイメージがあるので夕食はとても楽しみである。

ところで夕食はどこで食べるんだっけな・・・?と思い案内を見ると、どうやら食事は「完全個室の料亭」とのこと。どうやら部屋同じ階に個室の料亭とやらがあるらしい。

時間になり個室に向かうと、そこは落ち着いた空間の部屋が。これまた贅沢な空間だ。

肝心の料理だが、地元産の有機野菜や県内産の味噌、醤油を中心に、旬の食材を活かした料理たち。シンプルだけど最高に美味しい。これぞ本当のご馳走といっても過言ではないだろう。

この丁寧な料理を噛み締める程に料理人のこれまでの歴史を感じるような、そんな素敵な時間となった。


さて、夕食後は部屋でゆっくり・・・とも思ったが、どうしても気になる場所があった。そう、「地酒bar」だ。気が付けば「囲炉裏茶の間」に足を運んでいた。

エレベーターが開いて目の前に広がった景色を見てビックリ。昼とは全く雰囲気が違う。落ち着いたその佇まいは、まさに大人の地酒barだ。

そして風情のある囲炉裏を囲いながら、諏訪市の地酒飲み比べを注文。

チーズ味噌漬けをつまみながら、しみじみと地酒を味わう。これぞ極上の時間。

その後部屋に戻り再び風呂に浸かった後は、ここ最近感じたことのない深い眠りにつくのであった。


部屋に差し込む日差しで自然と目を覚ます。朝方の諏訪湖はまた違った表情を見せてくれる。

朝食も昨日と同じ個室料亭にて。メインはお粥。この年になるとなかなかお粥を食べる機会もないが、たまにはこういった朝食もいいものだ。

普段は朝食をほとんど取らないのだが、やはり朝食べると1日に活力が生まれる気がする。


チェックアウトまでは部屋でゆっくりと時を過ごす。

部屋、展望露天風呂、地酒bar、そして食事・・改めて極上の癒しと寛ぎを与えてくれたこの宿に感謝。たった1日だったが、心と体のメンテナンスには十分すぎた。最後までスタッフのおもてなしも素晴らしく、是非多くの人に伝えたい宿であった。

帰りの車内で一人感傷に浸りながら、気が付けば活力を取り戻した事に気が付く。そう、明日からの仕事が待ち遠しいのだ。

プライベートが充実してこそ、仕事にも良い影響を与える。

そう感じさせてくれた旅であった。